同志少女よ、敵を撃て 逢坂冬馬

第二次世界大戦における独ソ戦、女性だけの狙撃手部隊のお話。
あることが切欠で元々母親と猟師をしていた主人公セラフィマは女性狙撃手の訓練学校に連れていかれ、仲間と共に訓練に励み、やがて戦場へ赴いていく…

狙撃手部隊の面々は、シリアスな戦争小説の登場人物と言うより、アニメや漫画のキャラクターの様な個性的なメンバーで、感情移入しやすい平凡な田舎娘の主人公、旧貴族の娘で負けず嫌いの小っちゃい女の子、戦場で指を失って前線を退いたエリート狙撃手の教官などそれぞれのキャラクターが立っていて、読んでる途中で誰が誰だっけ?とはならずにスムーズに読み進めていける。
しかしストーリーはリアルな戦場を描いており、戦場の中でキャラクター達のドラマや狙撃・戦闘の描写、戦場における女性の立場など社会的メッセージも含みつつ重厚なストーリーが展開される。

戦争をリアルに描写しつつも、愉快な(?)仲間たちの友情戦場冒険小説って感じなので、独ソ戦をテーマにした超真面目でシリアスな難しい小説だと思っている人は、尻込みせずに読んでいただきたい。

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